「こ、こは…!?」
飛び来るVTOL。
「っ!」
放たれるミサイル。
「巡航ミサイル!?」
進み来る怪物―――…。
「第三使徒―――サキ、エル…!?」


X-Evangelion
=闇に消えるセカイ=


第零話 夢に沈むセカイ
- His Truth World -


「っ!!」
布団をはね除ける。
8月29日―――AM3:25。
いましがた500m程全力ダッシュしてきたかの様に、動悸、息切れ。
最悪の目覚めだ―――そう思う。それほどに酷い。
懸賞メール・マガジンで入手した最新鋭のノーパソでTV版EVAを見終わったのが、確か日付変更5分前。
そのまま寝た。そうだ。ここんところ仕事集中してて…今回は14歳繋がりでEVAのノベライズだった。しかも本編沿いトリップ物だ。
好きだから良かったがそうでなければやってられない。
一介の中三にこんなに仕事やらすな、と毒づきながら起き上がる。
締切迄は後3週ある。が、学校が本格始動すれば時間は潰える。一応高校受験生の身、使えるのは週末だけ…
ならば、改稿を考えて今日の内に。
ノーパソを起動させ、サブHDD代わりのiPodを接続。
愛用のテキストエディタを立ち上げようとしたその時、着信を知らせるアラートが小さく鳴り響いた。
常駐型特製メーラーのアイコンからバルーン。
"Message from X-Eva_team"
なんだろう。
X-Eva_team…今書いている"X-Evangelion"のサポーターチームだ。
CTRL+ALT+Mのショートカットキーでメーラーを目覚めさせる。
何の事はない、装備の追加資料だった。
マゴロックスにソニック・グレイブ、耐熱耐圧D装備…。
まるで規格書である。
感謝の返信を打つとテキスト化して保存する。
エディタに原稿を呼び出して打ち込んでゆく。
タイプスピードには自信がある。魔女の弟子となら張り合えるだろう。

仕上がったのは、6時頃だった。
編集部業務デスクに転送した。
さあ、寝ようじゃないか。

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気付くと、どこかのロータリーに居た。
人は…他に、少年一人だ。公衆で電話している。
思わず自分を見た。
アルビノの白い肌、スカイブルーの肌着、カッターシャツにインディゴのジーンズ。そこへ白の帽子とグラサンに肩から大型ショルダー。
夢かと頬をつねったが神経は痛みを伝達してきた。

…待ってくれよ。性質の悪い冗談か?

後ろには駅。強羅駅…リニアモーターラインの、だ。
少年が戻ってくる。
「あれ、避難しないんですか?」
「事情があってね…」

…冗談抜きでか?

青のアルピーヌ・ルノーA310が突っ込んで来た。半スピンして停止。
セクシーな女性が、少年にこう宣った。

「碇、シンジ君ね?ごっめ〜ん、おまたせ!そこの君も時間がないの、乗って!!」

…勘弁してくれ。